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夜桜~ お七~♪ 八 キュー!

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ちょっと散り気味の玉造温泉の桜です。
桜はやっぱり下から見上げるアングルがいい!!
なぜ、横から見ないで、下からがいいのか?


桜は全部下を向いて咲く。
  だから中へ入り込んで見て、初めて桜も喜ぶ。
  どんな昔の絵を見てもみんな、幹の周りで花見をしている。
  花が覆いかぶさってくれるのだから、そこへ入ればいい。
  横からただ見るだけでは、全然だめである。

  桜も早く下に来てくれと言って待っている。
  それを「桜の木に人が近づかないように」と柵で囲んで
  人から離してしまうから、桜も寂しがる。

  桜の幹をぽんぽんぽんぽんとやさしく叩いてやると、
  花も笑ってなびいてくれる。
  人間の女性と同じこと。
  パチッと叩くと怒るが、それとなしに触ったらニヤッと笑う。



  花見は酒を飲みに行くだけでもいいが、
  帰りぎわに「おおきにありがとさん」と言って帰るとよい。

  酔っ払って、酒を適当にまくのは良い。
  ヘド吐いている人は、褒めてもいい。それが土に戻るから。
  しかし、ナイロンやら敷いている奴は放り出せと言っている。
  ゴザやムシロだったら大丈夫だが、
  ナイロンを敷くと桜の根は息ができないからだ。

  昔は、その場所へ行って自分が花見を楽しんだ分、
  それだけのものを桜や自然に返してきた。
  酒をこぼしてあげるのもそうだし、
  弁当にしても昔は木の折しか持って行かなかった。
  土に戻るし、燃やせば肥料にもなるからだ。
  最近の人たちはそういう配慮をしなくなった。



  桜は家族と一緒。
  春夏秋冬、家族のように目をかけてやると元気に育ち、
  いい花を咲かせて長生きする。

  しかし、桜がどの家族のものでもなくなったようなもので、
  最近では花見の時にだけ大勢が花見に来て、
  普段は見向きもしないのに、木を保護しろなどと騒ぐ。
  毎日見てあげているわけではないから変化が分からず、
  気がついた時には枯れる寸前だったりする。
   
  村おこしやら町おこしやらに桜を使うようになると
  桜の元気がなくなるのは、そういう理由である。



  昔は、生きていける最低限の知恵だけあればよかった。
  ところが、余計な知恵を持つ者が多くなった。
  自然とのつながりを忘れてしまって、
  スイッチさえ入れておけば生きていられると思っている。

  あちこちの一本だけ残った名木を何とかして残そう、
  などと言っている自然保護論者たちの中で、
  食物を自分で作って食っている人間が何人いるか。

  一本だけ残った老木だって、そこに至る経過があるのだから、
  その老木だけを残そうと無理しても、木がかわいそうである。


  人間は、自分たちが勝手に益虫と害虫などと分類し、
  害虫と判断したものを駆除し、都市化で鳥がいなくなる。
  そうやって食物連鎖が崩れてくるから、
  当然桜の木も日本から減りつつある。

  ところが人間は、その桜の木だけは保護しようとして、
  老木が枯れたからといって同じ木の苗を
  同じ場所へ接ぎ木して移そうとする。
  だから、まともな木ができなくなる。

  古い桜は枯れていくと、その桜の種はその場所では育たない。
  鳥が種を運んで、若い木が別のところに生えてきて、
  長い時間をかけてある程度の場所をぐるぐる回って、
  そのうちまた元の場所へ戻ってくるものなのである。

  それを、なんとかそこで保護しようと無理に生かして、
  樹木医が桜の幹にシリコンを放り込んだり、
  根の先はずっと向こうにあって遠くから養分を吸うのに、
  根元にたっぷり水を栄養分をやったり、
  早いうちから杖を持たせようとしたりするから、
  木は自分で生きようとする力を失い、弱る一方になる。

  老木も、どこかは枯らしてどこかに新しい花をつける。
  そうやって自分で調整する知恵を持っている。
  それを、コンクリートなどの異物を詰め込んだりして、
  一時的な補助はできても、結局後で弱ってしまう。

  「よう生きてきたな」と褒めてやるつもりで見るだけでいい。
  そうすればまた、桜は一生懸命生きようとするのである。

出典は
「桜のいのち庭のこころ」
佐野藤右衛門氏著/草思社

(私が購読している「発想源」と言うメルマガで紹介されていたものです)

実に優しい、木、そして自然との付き合い方を教えてもらった気がします。
日本人は昔から、自然と上手く付き合っていたように思いませんか?
桜の樹の下の花見もそうですよね。

外国の人には理解できない日本のわびさびも
自然との付き合い方にあるんじゃないでしょうかね。

桜の樹のしたで、幹をさすってやりながら
桜と一緒に楽しみましょ!
by dandaneco | 2008-04-12 22:25

Discover Japan

by dandaneco
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