2008年 09月 24日
美保神社と卵
おはぎ(これは、めちゃうまでした!)とお茶を頂きながら
旅館の美味い魚料理やイカ焼きの話のあと、
「昔、船に乗って美保関に行くときには卵を持って行けなかった」
と、ご夫婦で懐かしそうに話しておられるが
私には何の事だか分からない
「美保神社と卵」????
不思議そうな顔をしていると
「あれ、井上さん、島根の人なのに知らん?」
「えぇ~、最近帰化したもんですから・・・」(笑)
で、ご夫婦で説明が始まった。
それによると、
昔、むかしのことじゃった
(ぼうや~、よいこだねんねしな~)♪
美保神社の祭神が、
夜な夜な不倫に出掛けておったそうな、
夜が明ける前の鶏の声を合図に家に帰っておった。
いつもように、海(中海)を渡って
彼女と楽しい夜を過ごした神様だったが、
鶏が鳴くのか遅く不倫がばれてしまった。
そのことに腹を立て、
自分のしたことは棚に上げ
「鶏はけしからん!」と怒ること、怒ること。
「鶏が産んだ卵もけしからん!」といちゃもんをつけた
「坊主憎けりゃ、袈裟まで憎い!」状態(笑)
それからは美保関では鶏を飼わず、卵も食べないそうだ。
だから、美保神社へ参拝する時も
弁当にゆで玉子という子供たちの人気メニューは
入れてはいけなかったそうな。
めでたし、めでたし。
不倫という話がほんとかどうかわからないが、
(この手の話大好き!神様に親近感を感じるから)
昔からの言い伝えを面白おかしく伝えたのだろう。
きっと、むかし船でしか行けなかった当時
大人たちが子供に話していたのかもしれない。
想像するとのんびりとした、いい時代だったんだろう。
この「物忌み」という禁忌は民俗信仰にはよくあったらしい
美保神社だけでなく、
大阪の道明寺、滋賀県の田村神社では氏子も食べないらしい
明星の鳴きが早かったり、遅かったりが原因。
そんなことで、食べられないというのは
なんだか気の毒な気がする。
ちなみに今でもそうなのか分からないので
美保関に行った時に聞いてみよう
こんな昔話、
とっても OMORO~!
by dandaneco
| 2008-09-24 00:25